【仕事のパートナー化】生成AIをレベルアップさせるたった1つのコツ【教員向け事例あり】
この記事は教員向け生成AIの教科書のstep3です。
「生成AIって何?」「ChatGPTの使い方を知りたい」「プロンプトって何のこと?」という方がいたら、step1、step2の記事をご覧ください。


さて、前回まででChatGPTの基本的な使い方と、思った通りの出力をさせるために「プロンプト」(=指示文)を工夫するという方法をご紹介しました。
ただしプロンプトを作るためには事前準備が必要で、また思い通りの出力を得るためには試行錯誤を重ねながら良いプロンプトを作っていかなければならないです。
これって結構、めんどうですよね。
ご安心下さい。
AIで自分の思った通りの出力を得るためには、プロンプトよりも重要で、そしてプロンプトよりも簡単な方法があるんです!
結論から言うと、それは
AIにお手本(出力例)を1つ渡してあげる✨️✨️
ことです。
たったこれだけで、AIが一気に自分の仕事のパートナーやゴーストライターまでレベルアップさせることができます。
この記事ではAIにお手本を渡して出力させる方法と、それによりAIの出力がどのように変化するかを解説します。
100行のプロンプトよりも1つのお手本
前回も例え話で説明しましたが、AIに指示を出すのは、新人の先生に仕事をお願いすることに似ています。
皆さんが新人の先生に保護者宛の文書を作ってほしいときに、

- 1行目は宛名を書いてね。宛名は今回は「保護者各位」にしてね
- 2行目は右揃えにして発行日の日付を書いてね
- 3行目は発信者の名前を右揃えにして書いてね
などと逐一指示を出すよりも、

- これが過去の保護者宛の文書の例だよ
とお手本を渡してあげた方が効果的だと思いませんか。
新人の先生は、「あ、こんな風に作れば良いのか」と空気を読んで作成に取り掛かることができます。
「百聞は一見にしかず」というやつですね。
AIもそれと同じです。
指示なしでは一般論が多くなりがちで、言い回しも自分の欲しいものとは違う、いかにも「AIっぽい」ものになってしまうかもしれません。
そこで効くのが 「お手本」(=出力例)を渡すことです。
“正解の形”を1つ渡すだけで、AIの出力は一気に安定します。
トーンや形式を合わせて欲しい定型の書式があるときには、長いプロンプトで1つ1つ指示するよりも、1つのお手本を示してあげた方が、効果的だと僕は考えます。
以下、お手本ありとなしで出力例を比較してみます。
保護者文書の出力 比較
今回は、合唱コンテストの保護者文書をお手本なしとお手本ありの2つのパターンで比べてみます。
お手本の効果を比較するために、プロンプトはなるべくシンプルにしてみます。
お手本なしの場合:きれいな文章だけど「これじゃない」感になってしまう
まずは簡単に指示して出力した例を見てみましょう。
この場合、以下のような回答が得られました。
保護者の皆さまには、日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
このたび本校では、下記のとおり合唱コンテストを実施いたしますのでお知らせいたします。
1.目的
合唱コンテストは、音楽表現に取り組む中で**芸術的感性(表現力)を培う**とともに、練習や本番を通して互いを認め合い、支え合う経験から**クラスの団結を高める**ことを目的としています。
完成度だけでなく、学級として一つの目標に向かって努力する過程を大切にしてまいります。
2.日時・会場
【日時】令和 年 月 日( ) 開場: 開演: 終演予定:
【会場】 (住所: )
3.内容
– 学年・学級ごとの合唱発表
– 講評・表彰(予定)
※進行は当日の状況により前後する場合があります。
4.参観にあたってのお願い
当日は多くの来場が見込まれます。生徒が落ち着いて発表に臨めるよう、以下にご協力をお願いいたします。
- 開演中の**私語はお控え**ください
- **携帯電話・スマートフォンはマナーモード**に設定してください。
- 写真・動画撮影は、学校の方針(可否・撮影範囲)に従ってください。
- 撮影について】(例:指定時間のみ可/個人が特定されるSNS投稿は不可 等)
- 会場内の移動は、演奏の妨げにならないよう**曲間**にお願いします。
- 体調不良がある場合は無理な来場をお控えください。
5.保護者の皆さまへのお願い(ご家庭での支援)
合唱は、日々の練習の積み重ねが大きな力になります。
ご家庭でも、帰宅後の声のケア(十分な休養・水分補給)や、前向きな声かけで生徒を励ましていただけますと幸いです。
本行事を通して、生徒が音楽の楽しさと学級の一体感を実感できるよう、教職員一同取り組んでまいります。
6.連絡先
ご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。
– 担当:
– 電話: (平日 : ~ : )
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
令和 年 月 日
学校長
担当
う〜ん。きれいな文章だけど、欲しかった書式とは違います。
お手本あり:ほぼそのまま使える形になる
ではお手本ありのパターンを見てみましょう。
今回は、以前作った「自然教室」の案内を元に、「合唱コンテスト」の文書を出力させてみましょう。
プロンプトに出力例の項目を追加しますが、指示そのものは先ほどと同じものにしています。
以下の出力例にならって合唱コンテストの保護者向け文書を作ってください
さて、この場合、結果は以下のようになります。
合唱コンテストのご案内
初冬の候、保護者の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、本校では下記の要領で合唱コンテストを実施いたします。日頃の音楽科の学習の成果を発表する場として、芸術的素養を培うとともに、クラスの団結を高めることを目的として取り組んでまいります。限られた練習時間の中で、声を合わせ、互いの役割を認め合いながら一つの作品を作り上げる経験は、生徒の成長にとって大変意義深いものです。
つきましては、本行事の主旨をご理解いただきまして、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
記
1.行事名 合唱コンテスト
2.目的 芸術的素養を培うとともに、クラスの団結を高めること
3.日時 令和 年 月 日( ) 時 分~ 時 分
4.会場 (例)本校体育館/(例)○○市文化ホール
5.内容 各学級による合唱発表(学年合唱・全体合唱を行う場合は記載)
6.保護者参観について
- 参観の可否:可(※学校の方針に合わせて調整してください)
- 入退場:受付開始 時 分/開場 時 分(予定)
- お願い:上履き・靴袋をご持参ください。会場内での私語はご遠慮ください。
7.撮影について
- 撮影の可否:可/不可(※学校のルールに合わせて記載)
- 可の場合:フラッシュ使用禁止、三脚使用不可、他の方の視界を妨げないようご配慮ください。
8.その他
・当日は混雑が予想されます。公共交通機関の利用にご協力ください。
・体調不良時は来校をお控えください。
以上
おお!一気に使える文書になりました!
ほぼそのまま使っても差し支えない形です。
もちろん、プロンプトで日時や会場の詳細を書き加えておくと、それも含めたより完成度の高い文章が出力できますよ。
このように、文章生成AIは出力例を1つ渡してあげるだけで、自分の欲しい形の文章にぐっと近づけることができるんです。
お手本テクニックはどんな場面で活用できる?
上で見たように、AIに出力例を渡して文章を出力させる方法は、
- 決まった書式のある文を作るとき
- 自分らしさを出したい文章を作るとき
に有効です。
教育現場での活用は、たとえば以下のような場面が考えられます。
保護者文書
上の例でも見た通り、保護者文書は学校ごとに書式がある程度決まっていることが多いです。
いくつか出力例を渡してあげると、それっぽい保護者文書を量産することができるようになります。
指導要録の所見文例
年度末の忙しさを助長する仕事に、指導要録の作成がありますね。
ただでさえ気をつかう仕事の上に、所見文章はクラス全員分の所見を文章で書く必要があるため大きく時間が取られます。
AIに文例を出してもらうだけで、随分楽になるという人も多いのでは?
学級だより・学年だよりの巻頭言
これも頭を悩まさせる問題ですよね。
季節ごとに違った挨拶や、行事での生徒の様子などを保護者にも伝わるように書く必要があります。
これも、出力例を渡して、入れてほしい内容をAIに渡すだけで、文例を考えてもらえます。
0→1をAIがやってくれるだけで、大幅に時間を削減することができるようになります。
お手本がないときはときの対処法

初めて取り組む仕事では「貼るお手本なんてないよ⋯」ということもあります。
そんなときでも以下のように対処すれば大丈夫です。
3ステップでOK!
- ざっくり指示して、AIに一度作らせる
- それを元に、自分で「こんな感じかな」という形に手直しする(5分でOK)
- その直した文章をお手本として保存する
これで次回からは、同じ仕事が一気に速くできるようになります。
一度育てたお手本は、ずっと使い回せる資産になりますよ。
まとめ
今回は、AIに詳細なプロンプトを渡す代わりに、お手本を1つ渡すテクニックを紹介しました。
前回の「プロンプトでの指示」と今回の「出力例を示す」というAIへの指示の仕方は、
生成AIを使いこなすための大切なテクニックになります。
これらを適切に使い分けることで、AIを自分の仕事のパートナーとして育て上げることができるんです!
ぜひ、この2つを意識して使ってみてくださいね。

